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音楽は“罪”じゃない 街角の音楽学校

【日本初公開作品】
原題:LYARI NOTES
2015年製作/作品時間70分
撮影地:パキスタン
製作国:パキスタン・インド
 
パキスタン最大の都市、カラチのリャリ地区は警察とギャングがはびこる街。住人たちは恐怖におびえて暮らしている。この街に暮らすミュージシャンのハムザは、12人の子どもたちに無償で音楽を教え始めた。シャリア(イスラム法)で「音楽は罪」と教わってきた大人たちが理解を示さない中、「心を養う教育」として音楽指導をするハムザ。ともにギターを弾き、歌うことで、子どもたちが友情をはぐくむ姿に手応えを感じはじめていた。しかし受講生のうち4人が、時間割の厳しい学校への編入を理由に音楽スクールに通えなくなった。学習と音楽を両立させたい子どもたちに、ハムザはミュージカルの舞台を用意する。暴力に抗い、希望を見つけだそうとする若者たちの姿に心打たれる作品だ。
 
監督:マフィーン・ジア  
製作:ミリアム・チャンディ・メナチェリー  
音響:ギッシー・ミハエル  
製作総指揮:イルッカ・ヴェフカラハティ
 
◆イスラム国家、パキスタンの音楽事情◆
パキスタンは独立後から政教分離を唱え、イスラム国家にはならないという原則を継承。しかし軍事政権下の1979年に「イスラム化政策」が進められ、音楽が禁止されました。音楽は官能的快楽をもたらすものであるとして、イスラム教正統派は、教義上容認していないのです。イスラム法による検閲が行われ、音楽産業は衰退しましたが、もともと音楽に寛容な国民性であったことから、1990年代からロックを中心とした音楽の人気が上昇。腐敗した政治への皮肉や社会へのメッセージなどを盛り込んだ歌詞は、政府の検閲対象になることもありますが、大衆の支持を受け盛り上がりを見せています。

[予告編]
 
(映画賞/映画祭)
2015年 アムステルダムの国際ドキュメンタリー映画祭 女性映画ジャーナリスト同盟から EDA 賞にノミネート
2016年 ムンバイ国際映画祭国際コンペティション部門
2016年 インディー・ミーム国際映画祭
2016年 シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭ユース審査員賞にノミネート
2017年 ARY映画祭(カラチ)長編ドキュメンタリー部門 優秀賞受賞

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