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二重被爆

2006年製作/日本/作品時間60分
1945年8月、広島と長崎の両市で米軍による原子爆弾の放射能を二度浴びた人々の足跡をたどるドキュメンタリー映画。彼らの証言を交え、歴史に埋もれつつあった二重被爆の実態が明かされる。証言者の一人である山口彊さんは、三菱重工業長崎造船所の設計技師として広島市に出張中に被爆した。左半身に大やけどを負いながら、自宅のある長崎市に戻り、勤務先で広島の状況を報告するが、再び原爆が投下され、被爆してしまう。
 
監督:青木 亮   
企画・プロデュース:稲塚秀孝
 
◆なぜ、アメリカは二度も原爆を落としたのか◆
原爆投下後2週間以内に広島・長崎両市に入って、残留放射能を浴びた二重被爆者は165人。二度の原爆に直接遭遇した被爆者は9人いることが確認されています。本作は、そうした二重被爆者の証言を通し、戦意喪失の日本に対して、なぜアメリカは二度も原爆を落としたのか、その謎に迫ろうとします。作品中の二重被爆者の方々は、癒えない苦しみを抱えて生きてきた壮絶な体験を語りながら、自らを「生かされている」と証言します。彼らの言葉からは、原爆投下の“生き証人“として、その惨禍を後世に伝えなければならないという強い決意を感じさせます。山口さんは自費出版した歌集「人間筏」を朗読しながら、思わず声をつまらせ涙を流します。何の罪もない人々が、原爆によって命を奪われ、筏のように川を流れていく有様に、人間の愚かさへの絶望と悔しさと、それでもなお人間を信じたいという彼の優しさのようなものを感じずにはいられません。

[予告編]

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