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Y/Our Music
2014年製作/タイ/作品時間82分
本作は、タイの農村から都市へと連なる音楽とその原風景をとらえた音楽ドキュメンタリー。作品では、タイの様々な地域や世代をつなぐ伝統音楽や労働歌、モーラムやインディーミュージックに耳を傾ける。9人のミュージシャンが自分たちの音楽を静かに語り、カメラはそのルーツとなる原風景を探る。それは赤い塵雲の中で奏でられる伝統楽器、収穫を待つ間に口ずさまれる労働歌、DJがかけるイサーン音楽の7インチレコード、楽器を弾けないバンドによるアンダーグラウンドミュージック、全てが都市の騒音や農村の風の音と共に調和を持って響く。ミュージシャンたちはメインストリームになることがなくとも自分たちの音楽を頑なに信じ、試行錯誤を繰り返し、そして次の世代を教育する。全く別々の音楽の世界に住んでいる彼/彼女らを繋ぐのはまさにその絶え間ない情熱なのだ。
監督:ワラーラック・ヒランセータワット、デヴィッド・リーヴ
◆タイが育んだ豊かな音楽文化とその原風景を探る旅◆
アジアのグローバル化が進む20世紀以降、音楽の交流も加速し、タイには欧米音楽の強力な波が押し寄せました。外国からの音楽文化の流入は、地方独特の音楽文化をも飲み込んでいきます。一方で、そうした地方で育まれた民族音楽が、新たな進化を遂げています。タイ東北部のイーサン地方で育まれてきた「モーラム」と呼ばれる伝統的な民族音楽は、古来の信仰や儀式と結びついて受け継がれてきたもので、その内容は生活の貧しさや社会・政治への批判、また恋愛や人情まで、市井の人々の思いをありのままに伝えるものでした。そうした独自の民族音楽が、外国から流入してきたクラブジャズやソウル、ラテンのエッセンスを融合させながら、新たなスタイルとしてタイの若者たちに支持されはじめているのです。こうした音楽文化の進化は、タイのみならず至る所で起きています。そして私たちの身近な音楽が、どのようなルーツをたどって現代に至り、どこへ向かっていくのかを考えさせてくれます。
[予告編]
(映画賞/映画祭)
2015年 SXSW映画祭
タイ国際映画祭 ベストドキュメンタリーノミネート
シカゴ国際映画音楽祭
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