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清らかな山々

【日本初公開】
原題:Clean Mountains
2021年製作/作品時間18分
撮影地:ネパール
製作国:オランダ

主人公のジャンム・シェルパは、ヒマラヤで山岳ガイドを務める。兄は世界的な登山家のミンマ・シェルパ。世界第2の高峰、K2に史上初の冬季登頂を果たし、ネパール中が彼の偉業を讃えた。その頃、コロナウイルス感染症の影響で観光客が入国できなくなり、ジャンムたちの生活は激変。観光客がいなくなったヒマラヤで彼女たちが始めたのは、清掃活動だった。エベレストへの山岳ガイドを務める兄に同行し、下山途中でごゴミを回収するという計画だ。キャンプや休憩スポットには、登山者が置き去りにしたゴミが大量に放置されている。パックパック一杯にゴミを詰め込んで下山する。ヒマラヤの美しい山嶺と大量のゴミ。登山家のモラルが問われる作品だ。
 
監督:ヘールトヤン・ラッシェ
撮影:ミンマ・シェルパ、シシル・マハラジャン、 ガオ・リ
プロデューサー:ヨス・デ・プッター、 ディープトシェルプト BV
編集:ステファン・カンプ
音楽:ヤン・コイカー
 
◆登山者に効果的な策を打てないゴミ問題◆
世界最高峰のエベレストの累計登頂者数は、2020年時点で9000人を超えています。登山者の約8割が、個人でツアー会社に申し込む形の公募隊のため、山に不慣れな登山者でも参加できることから、山頂付近で渋滞が起きるという弊害も生まれています。温暖化の影響で顕著になってきたのがゴミ問題です。氷や雪が溶けると、何年も行方のわからなかった登山者の遺体や、空き缶、びん、捨てられた登山用品、排泄物などの大量のゴミが露わになったのです。ネパール政府は2014年、すべての登山隊に対して事前に4000ドルの預託金支払いを義務付け。登山者たちが8キロずつゴミを持ち帰れば返金するという制度を設けたものの、登頂のために支払う費用総額と比較するとあまりにも少額なため、効果は限定的です。
 
(受賞歴/映画祭)
 
2022年 IndieX映画祭 最優秀短編ドキュメンタリー賞受賞

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