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さよならチベット 教育による民族同化
【日本初公開作品】
2017年製作/中国/作品時間29分
「上海の学校へ行く前はチベットを出るなんて思いもしなかった。でも今は中国に慣れて、他での生活は考えられない」。30年前から中国政府は、チベットの優秀な子どもを中国都市部の寄宿学校で学ばせている。中国とインド国境に近いチベット自治区ニンティ出身のタシは、「たくさん稼いで親を助けたい。都会に家をいくつも買いたい」という。そうした彼らの願いをかなえる一方で、中国政府は、彼らをチベットから引き離し、着実に民族同化政策を進めている。学校ではチベット語を禁じ、会話は北京語のみ。やがて彼らは、チベット語を忘れていく。チベット人の教育水準を上げ、国の将来を変えるための教育という大義名分は、現実にはチベット文化を衰退させ、消滅に追い込んでいる。「多くのチベット人は自国語より中国語のほうが得意なんです」と彼らは言う。教育による民族同化政策を描いたドキュメンタリー。
監督:チンツー・ファン
◆チベットの将来に絶望感を抱く子どもたち◆
「中国人は大学まで出なくても、商売を始めるとか他の道がある。でも僕の故郷では進学しない場合は農業をやるしかない」。「上海の高校に進学しなきゃ、落ちたらチベットに帰ることになる。そうなったら私の人生は終わり」。多くの優秀なチベットの子どもたちは、チベットの未来に対して絶望感を抱いています。それは中国政府による教育の成果であり、チベットの現実を直視する子どもたちの素直な実感でもあります。彼らは、中国共産党を支持し、優秀な成績を上げ、大学へ進学することこそ、チベット人である自分が出世し、成功する唯一の手段であることを知っているのです。チベットの家族を思えば、祖父母の教えに従い仏教を大切にし、チベットの言葉も学びたいという気持ちがあります。しかしながら、中国の教育は、「チベット人が豊かに暮らすには、チベット文化と決別することだ」と彼らに突きつけ、究極の選択を迫っているのです。
[予告編]
(映画賞/映画祭)
2017年 フリー・スピット映画祭 ドキュメンタリー最優秀賞受賞
2017年 ホリーショート映画祭(ロサンゼルス)
2017年 サン・ルイス国際映画祭
2018年 デュランゴ・インディペンデント映画祭
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