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ダック・アカデミー

【日本初公開作品】
原題:Duck Academy
2019年製作/作品時間52分
撮影地:タイ
製作国:タイ、フランス
 
タイの農業地帯ロッブリー県で、農薬を使わない稲作を行なっている農家に密着した。74歳のソムヌックは、国民皆が健康だった頃の農業を取り戻そうと、無農薬栽培に挑む。彼のパートナーは3000羽のカモ。生後5ヶ月のメスの雛を引き取り、数ヶ月かけて訓練する。7階建てのカゴを載せた「バス」でカモたちを運び、水田に放つ。カモは田んぼで古米を食べたり害虫を食べたりして自由に過ごし、ソムヌックの笛の合図でバスに戻る。農薬代が不要な上に餌代は安くなり、カモの卵でも収入を得る。農薬使用が当たり前のタイの農業界では極めて異端な存在だ。「バカだと思われても、自分の道を進む」と信念を固めるソムヌックの、自然への畏敬とカモたちへの愛情が伝わってくる作品だ。
 
監督:スリヨン・ジョンリーパン  
プロデューサー:ユパー・ラッタナチャン  
脚本:ユパー・ラッタナチャン、チャンナパー・ラッタナチャン、スリヨン・ジョンリーパン  
編集:ピチットポン・ピラーラム  
音楽:タン・オニィモン
 
◆効率を優先して農薬使用を続けるタイの農家◆
タイの農薬輸入額は1990年代後半から急激に増加しました。タイでは日本における農協のような指導を行う団体がないため、生産者は設備、生産、販売の全ての業務などを自己判断で行います。農産物の発育が悪ければ化学肥料を投入し、害虫が発生すれば農薬を散布、 雑草には除草剤を撒くといった具合に、農薬使用量が増えやすい傾向にあります。 政府は2019年10月、「パラコート」や「グリホサート」など安全性の疑いが指摘されている農薬の使用禁止を決議。当初は12月から農薬使用を禁止するとしていましたが、11月下旬に方針を見直し。2種の使用禁止は6カ月延期し、1種は使用をわずかに制限するにとどめました。突然の見直しの背景には、タイ国内の農家の反発があったのです。

[予告編]

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