
特集「秘境をぶっ飛ばせ!インドネシア編」(全3本)
◆危険と隣り合わせの未舗装ルートを激走
世界の道路舗装率は国によって大きく異なります。先進国では100%に近い舗装率の国が多く、途上国では低い傾向にあります。特に山岳地帯や森林地帯では未舗装の道路が延々と続く地域も珍しくありません。たとえばインドでは国内の舗装率が約7割であっても、北東部では3割に届かず、片側1車線以上の道路も半分程度。インドネシアでは舗装路が約6割、ミャンマーでは2割に過ぎません。このような道路事情の中、輸送を生業にしているドライバーたちは命懸けで働いています。陥没や崩落、落石などの危険もあれば、天候に行く手を阻まれるときもあります。乗客を、荷物を、1分でも早く目的地に届けようと奮闘する“秘境ドライバー”の激走を映像に収めました。スリルと迫力の映像はもちろん、ドライバーと乗客のやりとりから感じられるお国柄も必見です。
◆何があっても運ばなければならない、ドライバーの矜持
人類はその歴史の中で、人や物の移動を繰り返し、輸送手段としての道路を築いてきました。道路は日常生活のほか、交易や移住などでも利用され、経済発展とともに大規模化、近代化を遂げてきました。一方で、厳しい自然条件の場所では道路の敷設もままならない場所が多く残ります。徒歩であれば何日もかかる狭く険しい道のりを、卓越した運転技術と鋼のメンタルで駆け抜けるのが“秘境ドライバー”。転落すれば命がないような崖の上でも、先行車をフルアクセルで追い越す姿からは、仕事にかける情熱が伝わってきます。困難な局面では、ビジネス上のライバルとなる他のドライバーと協力して乗り切る姿にも心を打たれます。
◆豊かな社会を築くために今日も秘境を走る
“秘境ドライバー”たちは、乗客や物資の輸送にとどまらず、出発点と到着点の文化も運んでいます。中継点や行き先の多くは、彼らの存在がなければ途絶えてしまいそうな小さな村や集落。物流には地域の存亡がかかっているのです。物資に経済的な豊かさを求め、人的交流で教育やコミュニティーの拡充を図る。輸送手段が機能していることは、地域文化を支えることにもつながっているのです。道中の危険を冒しても、運ばなければならないもの、伝えなければならないことがここにあります。ドライバーも乗客も運命共同体の“秘境ルート”の旅。ぜひご乗車ください。
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