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最後の蜂蜜ハンター

【日本初公開作品】
原題:The Last Honey Hunter
2017年製作/作品時間36分
撮影地:ネパール
製作国:アメリカ
 
ネパールの奥地ホング渓谷で、世界最大の蜂がつくる蜂蜜は、薬用として重宝され高値で取引されている。山の斜面に棚田を作り農業で生計を立てるクルン族にとって、蜂蜜は貴重な収入源。採集を許されるのは、特別な夢を見た者だけとされる。その夢を見た男、マウリの「蜂蜜ハンター」としての人生を追った。素足にサンダル履きで、激流の川を渡り、ヒルがうごめく断崖絶壁を登る。崖の上から下ろした縄ばしご伝いに蜂の巣に近づき、力ずくで巣をはぎ取る。無数の蜂が襲い掛かり、体中を刺してくる。はしごから手を離せば命はない。精霊の加護を信じて蜂蜜採集を続けるマウリと助手たち。自然と共存する人間の、極限の姿がここにある。
 
監督・編集:ベン・ナイト 
製作:ベン・アイヤース  
撮影:ベン・ナイト、レナン・オズターク
 
◆ヒマラヤの生態系維持に欠かせない存在の蜂◆
ネパール奥地で採れる蜂蜜に、「マッド・ハニー」と呼ばれるものがあります。幻覚作用があることで知られており、アジアの闇市場で通常のネパール産蜂蜜の約6倍もの価格で取引されています。この蜂蜜をつくりだすのがヒマラヤオオミツバチ。断崖絶壁に営巣し、獰猛な性質であることが知られています。ネパール東部に暮らす山岳民族、クルン族の人々は、蜂蜜をせき止めや消毒薬の代わりに利用してきました。またヒマラヤオオミツバチは、高山植物の受粉に欠かせない存在でもあります。近年、その数は激減しており、周辺の生態系が危機にさらされています。

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