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さらばメコン川の竹橋

【日本初公開作品】
原題:The Bamboo Bridge
2019年製作/カンボジア/作品時間65分
 
カンボジアのメコン川にかかる全長1.5キロメートル、世界最長の竹橋が最後の時を迎えた。橋は、川の水位が低くなる乾季の間だけ使われるという竹製の手作りの橋で、川岸の州都コンポンチャムと中州のコーペン島を結んでいる。竹橋は橋守によって3世代に渡り受け継がれ、毎年乾季ごとに4万本の竹を使って繰り返し架け替えられてきた。しかし、中国の投資によって建設されたコンクリート橋が2018年に完成し、竹橋は消えゆく運命にある。本作は、この竹橋を通して時代の流れによって止めることができないカンボジア社会の大きな変化を淡々と浮かび上がらせている。
 
監督・人類学者:ホアン・フランシスコ・サラザー
 
◆もたらされる近代化 発展途上国の未来を考える◆
メコン川の中州、コーペン島はタバコやゴマ、トウモロコシ畑が広がる農村地帯です。コンクリート橋ができるまで、島の人々は電気も水道もない暮らしを営んできました。大きな荷物は、馬車で運ぶのが当たり前でした。ところが2018年、コンクリート製の橋が完成したことで村の暮らしは一変します。トラックが通行することになり、荷馬車は便利なものでなくなります。橋を通じて電気が送られることになり、島は急速に近代化します。カンボジア全土には、まだまだ同様に無電化地域が多くあり、人々は液体式バッテリーで最小限の電気を使って暮らしてきました。受け継がれてきた文化の継承と近代化。便利な生活と、自然に寄り添う暮らし。発展途上国の未来について考えさせられる作品です。

[予告編]

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