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【新登場】不滅の者たち

原題:Immortals
2024年製作/作品時間94分
撮影地:イラク
製作国:スイス、イラク
 
2019年10月にイラク・バグダッドのタハリール広場で始まった、非暴力の反政府デモ「10月革命」。関わった若者たちの視点で、デモがイラクに残したものを描いた作品だ。22歳の女性マイロは、デモに参加したことを理由に、父親に1年間自宅で拘束された。身分証明書も衣服も焼かれた彼女は、家族に隠れて外出するときは兄弟の服を着て男装する。イラク社会に失望し、親友に逃亡を呼びかけるが、同意を得ることは難しい。フォトグラファーのカリリは、タハリール広場に住み着き、デモの一部始終をカメラに収めた。武力によるデモ鎮圧の非道さを追ううちに、自らも銃弾に襲われた。一命をとりとめ、平穏に暮らしていた2022年、再び民衆蜂起の知らせを聞いた彼は、迷わず現場に向かう。自由を求める若者たちの抵抗は、今も続いている。
 
監督・脚本:マヤ・チュミ
脚本:メラク・マフディ(マイロ)、ムハンマド・アル=カリリ
撮影:シルヴィオ・ガーバー
10月革命映像:ムハンマド・アル=カリリ
編集:アレックス・バクリ
音楽:マヌー・ルーシャリアン
製作:ナディーン・リュキンジャー、フラヴィオ・ガーバー、アスラ・ジュルジェヴィック
 
◆イラクの政治的混乱を深めた「10月革命」
2003年のサダム・フセイン政権崩壊、米国占領下のイラクでは民族・宗派に基づき公職や権力を割り当てる権力分担システムが導入されました。しかし要職が宗派や政党の有力者に偏り、腐敗の温床になり、行政の機能不全や、民族間、宗派間の対立を産む結果となったのです。2019年のデモ「10月革命」は、この権力分担システムに対する根本的な変革を求めるものでした。デモは外国勢力排除を求め、反米感情が増す一方で、イランとの緊張も高まりました。さらに、デモ鎮圧のため治安部隊をイラク中部・南部に再配置すると、北部でISの活動が活発化。イラクの政治的混乱が現在まで続いている要因となっています。
 
[予告編]
 
(受賞歴/映画祭)
 
2025年 Solothurn映画祭(スイス) Prix de Soleure賞受賞
2025年 レインダンス映画祭(ロンドン) 長編ドキュメンタリー部門最優秀賞受賞
 
2024年 CPH:DOX映画祭(デンマーク) オフィシャルセレクション
2024年 Hot Docs映画祭(カナダ) オフィシャルセレクション
2024年 TIDF映画祭(ギリシャ) オフィシャルセレクション
2024年 Visions du Réel(スイス) オフィシャルセレクション

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