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水をもたらすものたち

【日本初公開作品】
原題:Water Lorry
2021年製作/作品時間29分
撮影地:イラン
製作国:イラン
 
イラン南東部の水源から、水道のない内陸部の村へ水を運ぶ給水車がある。村の住人とともに、水の到着を待っているのがラクダやヤギなどの家畜だ。水が尽きてしまえば、村人たちは近くの川に行く。そこはワニの生息域でもある。日々、無償でワニの世話を続ける老人は、「ワニを殺すと水が干上がる」という、この地に残る言い伝えを教えてくれた。干ばつが続けば、ワニも命が危うい。「ワニが死にそうだから池に水を入れるよう、村人に頼まれたことがある」と給水車のドライバーは語る。生命の源である水を、動物たちと分け合って暮らす人々の、慈愛に満ちた世界がここにある。
 
監督:ハディ・アファリデ  
プロデューサー:ハディ・アファリデ  
編集:ババク・バフラムベイジ  
撮影: レザ・テイムーリ  
音響効果: メルシャド・マラクーティ
 
◆“水の恵み”ワニとの共存を続ける村人たち◆
イランの降水量は、北部、西部、南部では年間1000mmを超えるほど潤沢ですが、中央部、東部の砂漠地帯は年間100mmに至らない地域があり、地域的によって水資源が偏在。人口の増加と共に河川水や地下水の取水量が増え、慢性的な水不足に陥っています。水不足がもたらす湿地の乾燥化は生態系にも影響を与え、イランとパキスタンで唯一の在来種ワニ「ガンド」の個体数は激減。農業用水も不足傾向にあり、近年は米作に制限をかけるなどの影響が出始めています。

[予告編]

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