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世界で最も汚染された川

原題:INDONESIA, THE WORLD’S MOST POLLUTED RIVER
2018年製作/作品時間55分
撮影地:インドネシア
製作国:フランス

インドネシア・ジャワ島の西部を流れるチタルム川は“世界で最も汚染された川”との悪名を持つ。源流は飲料用としても使われるほどきれいな水だが、川を下ると大量のゴミ投棄が見えてくる。漁師の仕事はペットボトル回収に変わった。さらに下流へ進むと、織物工場の廃液による化学物質の汚染が広がっていた。近隣に暮らす住民は、川の水で野菜や皿を洗い、洗濯をし、シャワーを浴びる。子どもたちは吐き気や頭痛、肌の痛みを訴えている。一人のジャーナリストが地元の環境活動家と共に立ち上がった。隠された廃水口から流れ出る廃液を汲み取り検査した結果を手に、工場への発注主であるアパレルメーカーの門を叩く。人間社会を豊かにする2つの軸、環境と経済のあり方を問う作品だ。

監督:マルタン・ブドット
プロデューサー:リュック・エルマン & ポール・モレラ
 
◆これほどの汚染を見ていると50年後に人類は誰もがミュータントになる
世界中のメディアが“世界で最も汚染された川”と酷評するチタルム川。かつてはジャカルタ、カラワン、バンドンなど、沿岸都市の住民の暮らしを支え、農地を潤す重要な役割を持っていました。汚染の主な原因は、繊維産業の発展です。1980年代には、川岸に立地するおよそ300もの工場が、有毒な廃水をチタルム川に流し始めました。繊維工場のおかげで、一帯には雇用が生まれ暮らしが豊かになりましたが、排水の化学物質が井戸や水田にまで広がり、住民は発疹や肺炎などに苦しんでいます。2018年、ジョコ・ウィドド大統領はチタルム川の浄化を約束しましたが、一方で住民たちの家庭ごみ投棄への対策がなされず、インドネシアの廃棄物処理システム全体に及ぶ課題になっています。
 
[予告編]

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