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太陽の塔
2018年製作/日本/作品時間112分
1970年に開催された大阪万博のシンボルとして芸術家の岡本太郎が制作し、万博終了後も大阪のシンボルとして愛され続け、2018年3月には48年ぶりに内部の一般常時公開も始まった巨大モニュメント「太陽の塔」のドキュメンタリー映画。日本中が高度経済成長に沸く中で、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げて開催された大阪万博。岡本太郎は、異彩を放つ約70メートルの塔にどんな思いを込め、何と戦い作り上げたのか。過去、現在、未来の3つの顔を持つこの塔は、人類と世界、つまり宇宙そのものだ。塔の内部には、単細胞生物から人類にまで進化する様子を表した「生命の木」がある。当時、岡本太郎の周辺で太陽の塔の事業に関わっていた人びとの証言、さまざまな分野の専門家やアーティスト、クリエイターのインタビューなどによって、岡本太郎からの、そして太陽の塔からのメッセージを検証していく。
監督:関根光才
撮影:上野千蔵
音楽:JEMAPUR
出演者:糸井重里・関野吉晴(探検家)・コンチョク・ギャムツォ師(チベット仏教僧侶)・奈良利男(太陽の塔 設計担当者)ほか
◆人類は進歩などしていない!◆
「人類の進歩と調和」をテーマに掲げる万博会場で、「太陽の塔」は丹下健三が設計した「大屋根」を突き破って立っていました。大屋根は丹下が考えた空中都市のプロトタイプだといいます。国土が限られた日本では海上や空中などに構造物をつくり、それを延長していくことが有効だと主張しました。部屋などのユニットを順次入れ替えていくことで社会の変化にも対応できるというのです。その「大屋根」を突き破って、岡本太郎は強烈なメッセージを世界中の人々に発したのです。「人類は進歩などしていない!」。高度経済成長は公害を引き起こし、原子力発電所の事故は国土を放射能で汚染しました。科学の発展だけが、あたかも正義であるかのような錯覚を疑えと、今から半世紀前に彼は説いていたのです。50年を経て、あらためて「太陽の塔」がどういうものだったかを掘り返すことで、私たち日本人がしっかりと見つめるべきものが浮かび上がってくるのです。
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