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危険なルート② 夢を売る
【日本初公開】
原題:Dreams For Sale
2024年製作/作品時間25分
撮影地:アメリカ
製作国:カタール
2023年に中南米の“徒歩ルート”を経由して米国に渡った中国人はおよそ3万1000人。無事に入国できた彼らが直面するのが、現地でどう暮らしていくかという問題だ。亡命希望者が労働許可を得るには180日の期間が必要で、その間は臨時の仕事にしかつけない。その仕事さえも奪い合いで、収入を得るためには困難がつきまとう。そんな移民たちの窮状につけこむのは、悪徳ブローカーたちだ。彼らを支援するようにみせかけ、高額な費用で亡命手続きを請け負い、犯罪行為の仕事を斡旋する。入国前も入国後も、決して安心できない移民生活だが、それをもって余りあるのが自由の享受だ。中国では決してできない政治運動が、人目を憚ることなくできる。祖国を捨て、自由の国でたくましく生きる中国人のリアルな姿を記録した作品だ。
監督:ジェームズ・レオン、リン・リー
◆好調な米国経済を支える不法移民◆
米国は国境の治安対策を強めていますが、経済は強く、失業率は低水準。そのため雇用する側、特に低賃金労働者を必要とする雇用主たちは、労働許可証を持たない不法移民に食指を伸ばします。結果、「米国経済の成長は不法就労者が支えている」とさえも言われているのが現状です。米国には約1100万人の移民が不法滞在しており、そのうちの約800万人が就労しています。米シンクタンクによると、米国内の全労働者の約5%を不法就労者が占めているのです。為政者は不法移民の流入を断ち切ろうとしていますが、不法移民を排除してしまうと経済失速のリスクが高まるというジレンマを抱えています。
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