特集「パレスチナに平和を!」(全14本)

◆平和を希求する人々を排除する平和の式典
広島市が、広島原爆の日の平和記念式典にイスラエルを招待する一方で、パレスチナ自治政府を招待しなかったことに批判が浴びせられています。広島市はパレスチナ自治政府が国家として承認されていないことを理由としていますが、ウクライナ侵攻を続けるロシアとベラルーシは招いておらず、ダブルスタンダードとの指摘もあります。ガザを占領し大量虐殺や民族浄化とも非難されているイスラエル軍の行為に目を瞑り、平和を求めるガザ市民の切実な願いを無視するような広島市の態度は、許されるのでしょうか。原爆投下、終戦と、平和についての思いを強くする8月。アジアンドキュメンタリーズで配信中の14作品で、パレスチナ問題について考えてみませんか。
 
◆封鎖されたガザで、市民が置かれている過酷な状況
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって9カ月が過ぎました。パレスチナ自治区ガザ地区の保健省によると死者は3万5000人を超え、負傷者は8万人以上。そのほかにも1万人もの市民が行方不明のままがれきの下に埋もれていると推計されています。イスラエルに封鎖されているため、ガザの物価は戦闘開始前の約10倍にまで高騰。援助の食料の略奪も起きています。避難所には定員を大きく上回る市民が押し寄せ、水道も機能しないため、水さえも満足に手に入らない状況。栄養失調のほか、劣悪な衛生環境による伝染病のリスクも高まり、ガザ市民の健康状態も危機的な状況です。
 
◆若者の間に広がるパレスチナ支持が社会を動かす
ハマスによる襲撃直後はイスラエル支持で一致していた欧米各国も、イスラエルのあまりに非道な振る舞いに対して批判が起き始めました。とりわけ若者世代ではパレスチナへの同情や支持が強まり、社会運動にまで発展してきました。親イスラエルの筆頭だった米国においても、差別や人権に敏感な若者世代の多くがイスラエル非難とパレスチナ支持に傾いています。自衛権を盾に、ガザ市民に暴虐の限りを尽くすイスラエルに対して、人道の観点から批判を強める国が増えてきました。一日も早い停戦とパレスチナの平和を実現するために、市民一人ひとりが声を上げていくことが大切です。

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