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目には見えない、イラクの美しさ
【日本初公開】
原題:Iraq's Invisible Beauty
2022年製作/作品時間87分
撮影地:イラク
製作国:ベルギー、フランス
イラク人写真家のラティフ・アル・アニは1940年代から写真を撮り続けてきた。しかし1958年のイラク革命以降、現代まで繰り返された紛争や戦争、政変などの歴史の中で、25万枚以上にも及んだ彼の写真のほとんどが消失した。このドキュメンタリーは、かつてラティフが撮影して歩いたイラク各地を再び訪ね、当時と変わらない自然美や、変わってしまった街並み、人々の暮らしなどを対比させる形で、混乱が続くイラクの素顔に迫っている。今は存在しない村の人々の純朴な表情を収めた写真や、産業や文化の記録写真などは、歴史資料としての価値もある。本作の監督との対話の中に、ラティフの半生が滲み出ている。彼の回想録のような作品だ。
監督・脚本:サヒム・オマル・カリファ、ユルゲン・ビューツ
撮影:カール・ロティエ、ジミー・ケッツ、ユルゲン・ビューツ
編集: ユルゲン・ビューツ
プロデューサー:ユルゲン・ビューツ
音楽:ローラン・プティガン
◆革命以降の混沌とした時代に生きた「イラク写真の父」
英国委任統治領メソポタミアが独立してイラク王国となったのは1932年のこと。北部キルクークで油田が発見されてから5年後のことでした。1958年にクーデターが勃発し、国王一家は虐殺されてイラク王国は滅亡。イラク共和国が発足したものの、以後は度重なる政変で、破壊と混乱の歴史が続いています。フセイン政権が倒れた2004年以後は、テロ組織のイスラム国(IS)が台頭。ISとイラク政府軍の戦闘は、2017年まで続きました。写真家のラティフ・アル・アニは、「イラク写真の父」と呼ばれる人物。1950年代から70年代後半までのイラク近代化前の生活様式を記録していることは、彼の大きな功績です。
[予告編]
(受賞歴/映画祭)
2023年 第10回DUHOK国際映画祭 最優秀クルド人ドキュメンタリー賞受賞
2024年 第14回Dada Saheb Phalke映画祭(インド) オフィシャルセレクション
2024年 バレンシア・インディ映画祭(スペイン) オフィシャルセレクション
2024年 アムステルダム・クルド映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 人権映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 ENSORSアワード 最優秀ドキュメンタリー映画賞 ノミネート
2023年 レッドシー国際映画祭(サウジアラビア)
2023年 マスカット国際映画祭(オマーン)
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