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ボクシング・フォー・フリーダム~差別に立ち向かうアフガニスタンの少女~
2015年製作/アフガニスタン/作品時間74分
「ボクシングはアフガニスタンで最も人気のあるスポーツの1つです。男子選手は大勢の観客が声援を送るスタジアムで闘いますが、女子選手たちの試合には誰も来ません。アフガニスタンでは社会における女性の地位は低く、学校教育を受ける機会も与えられず、今でも“児童婚”や“早期結婚”が強要され、「女性は家の中で働くべき」という慣習が常識となっています。そのため、公にボクシングなどのスポーツをすることは、今なお激しい批判や脅迫の対象となりがちなのです。本作ではそのような境遇に立ち向かいながら、懸命に活動を続ける若きボクサー、サダフ・ラヒミの奮闘を記録した作品です。彼女にとって、姉シャブナム・ラヒミや母サリーマはじめとする家族や彼女を支えるサビール監督の存在は、かけがえのないものでした。
監督:ホアン・アントニオ・モレノ、シルビア・ベネガス
◆混乱した国で、運命に立ち向かう人々の物語◆
タリバン政権時代、サダフは一家とともに難民として9年間イランに逃れましたが、2002年からUNHCRの支援により570万人のアフガン難民が帰還。サダフの一家も2002年に帰国しました。その後ボクシングを始め、2011年にタジキスタンの大会で銀メダルを獲得、2012年には国際ボクシング協会の招待でロンドン・オリンピックの代表選手に選ばれますが、アフガン五輪委員会は出場を認めませんでした。しかしサダフの奮闘は、ここで暮らす新世代の女性たちに勇気を与えるものでした。母親世代が決してやらなかったことを実行し、障壁を壊そうとしているのです。作品に登場する女性の人権活動家マラライ・ジョヤは、「立ち向かうべき最大の敵は“沈黙”」だと訴えかけます。女性たちが自らの権利のために立ち上がり、意思表明するためには、社会に変化をもたらす教育と、何よりも本人を支える家族や周囲の支援が必要なのです。
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