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ファンキータウン 暗黒の光

~少年は、ドラァグクイーンになった。行き場を失った若者たちが集うクラブで描かれる、現代社会の歪み~


【日本初公開】
原題:THE LAST YEAR OF DARKNESS
2023年製作/作品時間90分
撮影地:中国
製作国:中国、アメリカ
※一部の国からは視聴できません

中国成都のクラブ「ファンキータウン」に集う若者たちは、どこか破滅的で切ない影を帯びている。ドラァグ・クイーンとして喝采を浴びる少年、困窮生活を続けながらも音楽に没頭するDJたち、プレッシャーから逃れてきた音楽家……。現実社会とネット空間、恋愛とセクシャリティ、LGBTQ+性的マイノリティの葛藤と自由、快楽と苦悩の間を彷徨い、ときに自分を見失ってしまう。家族や世間との距離感がつかめない者たちは、闇と光が溶け合うクラブで自分の存在を確かめる。当たり前にある日常の裏で、もがき苦しむ若者たちの心の迷いと苦悩がアンダーグラウンドなクラブカルチャーの映像を通して伝わってくる。現代社会の人間模様を追った群像ドキュメンタリーだ。

監督:ベン・ムリンコソン
プロデューサー:ソル・イエ、サム・インティリ、アニタ・ゴウ
脚本:リディア・シャア・ハン
編集:ボビー・モーザー
撮影:フェイ・ヤンキウ、ゲンナディ・バラノフ
音楽:YouTooCanWoo

<作品の見どころ・社会問題提起>

◆中国の経済成長がもたらした、若者の喪失感◆

少子化が加速する中国で、原因の一つに挙げられるのが結婚観をはじめとした“合理性の追求”です。合理性を求めるあまり「失敗しない」「勝ち組の」結果にこだわり、人間本来の感性や感情が失われているとの指摘もあります。急速な発展に伴う熾烈な競争、格差社会など独特の社会事情が、若者に喪失感をもたらしました。また、経済成長の中で若年者の失業率が20%を超す水準まで高まっており、深刻な問題となっていたり、結婚適齢期の変化とともに、未婚の「剰女、剰男」も増え、生涯未婚率が上昇したりしています。そして経済がグローバル化する中で居場所が家族から離れ、欲望のままに進んでゆく若者たちもいます。世界の歴史上、類を見ないほど短期間で発展した中国経済の陰で、さまざまな歪みが生まれているのです。

[予告編]

(受賞歴/映画祭)
2023年 IDFA オフィシャルセレクション
2023年 第29回Athens国際映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 CAMDEN国際映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 Rooftop films summer series オフィシャルセレクション
2023年 Queer Porto オフィシャルセレクション
2023年 Visions du Reel映画祭 オフィシャルセレクション
2023年 SXSW SYDNEY映画祭 オフィシャルセレクション

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